第8回 星野立子賞 Tatsuko Hoshino Award
第5回 星野立子賞
この度は星野立子賞という栄えある賞を賜りましたこと、心より感謝申し上げます。高浜虚子は
俳句は日常の相聞であると提唱しました。この日常の相聞の精神を継承し、実践したのが立子俳句であると私は思っております。相聞とは安否を問う事と広辞苑にはあります。私自身が日常の相聞を強く意識したのは、極めて非日常的な東日本大震災、原発事故でした。
震災から6年が過ぎました。表面的には震災前の日常を取り戻したかに見えます。しかし、先日も強い余震がありました。
夜の森は家族の句も多く、また原子力発電所に深いかかわりもあったことから出版をためらう気持ちが強くありましたが、こうして受賞することができ、今は本当によかったと思っております。困難な時も私を支えて下さった山下千寿子代表はじめ、リンに集う仲間たちと共に研鑽を重ね、日常の相聞を俳句として詠んでいきたいと思います。本日は誠にありがとうございました。
今回は素晴らしい賞をいただき、感謝いたします。今回は新人賞なのですが、実は10年程まえに句集を出版させていただいております。そのあとがきに「世界は自分の外にある」ということ書きました。
今は、世界は外にあるけれども、自分の内にもあるということを感じるようになりました。実は外も内もないのではないか。そこを分ける壁みたいなものはないんだなと今回50句を纏める中で感じました。俳句を詠む時に、その内と外の壁がないか、すごく薄い方が星野立子さんなんだろうと改めて感じます。そのような星野立子さんの名前のついた賞をいただけたことを嬉しく思います。
この度は身に余る賞をいただきまして誠にありがとうございました。小学校の教諭をしておりますが、学校の方でも管理職から俳句倶楽部をつくっていただき、僭越ながら子どもたちに俳句、短歌の指導を行っております。子どもたちはとても素直で、感性の鋭い句を次々に作って私の所に持ってきてくれるので、常に子どもたちの鋭い感覚にふれて私自身の感性も磨かれたと思っております。そのことが今回の受賞に結びついたのではないかと感じております。これからも子どもたちと俳句をつくっていきたいと思っています。